イーサリアム(ETH)の手数料Gasとは?その仕組みや目安について解説
Gasとは?
ガスとはイーサリアムのトランザクションを発生させるときにかかる手数料のことです。イーサリアムではスマートコントラクトの実行や送金を行うときなどに、手数料がかかってきます。
Gasとは呼ばれていますが、実際の手数料はETHで払われるので、何か別の通貨が必要になるわけではありません。
なぜ手数料が必要?
手数料の仕組みについてです。
まず送金を行うにしろ、スマートコントラクトを活用するにしろ、ブロックチェーンにその記録を残さないといけません。
またその記録が正当なものと判断するためには承認作業が必要となります。これはマイナーと呼ばれる人がコンピューターのリソースを使って行っており、その対価として手数料が支払われています。
もし報酬がなければマイナーはほとんどいないでしょう。そうなるとブロックチェーンに記録を残すことができないので、トランザクションはいつまでたっても成立しなくなります。
この場合、ガス(手数料)は取引の正当性を証明するマイナーを確保するためにあるということができます。
手数料はどうやって決定?
ガス代の決定についてですが、これは2つの要素からなります。
- ガスリミット
- ガス価格
これらを掛け合わせることで、ガス代が決定します。
例えば、ガスリミットが21,000UNITS、ガス価格が10Gweiとします。
21000×10=210,000Gwei
1Gwei=0.000000001ETHなので、この場合の手数料は0.00021ETHとなる計算です。
ガスリミット
ガスリミットは自動車で言う燃料と思ってください。多くあればあるほど遠くへ行く(多くのアドレスに届く)ことが可能です。逆に少なければ途中で燃料切れを起こしトランザクションが届かず失敗に終わります。
必要以上にガスリミットを上げた場合でも、最低限のUNITSしか使われないため、余分に払った手数料は払い戻しが行われます。
ガス価格
ガス価格はガスリミットと同じ例えをするのであれば、ガソリンの値段です。高いものほど質が良く、早く走る(トランザクション処理)ことができます。
マイナーは手数料が高いものからトランザクション処理を優先させるようになっているので、送金など早く行いたいと思う時は、このガス価格を高めてあげましょう。
ガス価格の場合は、必要以上に高めの設定を行っても手数料はそのまま取られるので上げ過ぎには注意です。
イーサリアムの管理を取引所で行っている場合は、送金時の手数料が固定で取られていると思います。基本的にガス代を操作することは出来ません。
問題点:Gas高騰
ガスの問題点としてあげられるのは、トランザクションの増加による手数料の高騰です。先ほども簡単に触れていますが、トランザクションは手数料の高いものから処理されていきます。
早くトランザクションを処理したい!という人が多ければ多いほど、優先されるガス代の基準値が上がり高騰が起きてしまうというわけです。
特にイーサリアムでは、ETHから派生したトークンがいくつもあり、そのほとんどが同じブロックチェーン上で処理されているので、時折こういった手数料の高騰というものが見受けられます。
こうなってしまうと、1つのアクション(送金など)を行うのに手数料だけで数千円もかかってしまうことも。
今後はアルゴリズムの変更やサイドチェーンの技術等を用いて、このような問題を解決していく予定ですが、まだまだ現状ではこのような問題が多発しています。
適切なガス代を知ろう
管理しているウォレットによっては、デフォルトのガス価格がかなり高めに設定されているものがあります。
その情報を鵜呑みにして、そのままトランザクションを生成しているとなると余分に手数料を払っている可能性も。これは非常にもったいないので、適切なガス代を知ることは大事です。
そこで活用したいのがETH Gas Stationです。このツールはガス価格をどれくらいに設定すればいいのかの判別をしてくれるので、非常に便利です。
ガス代の最適化を行いたいという方は、活用する事をオススメします。使い方や見方については「ガスステーションの使い方まとめ」に記載しているので、あわせてご確認ください。
まとめ
イーサリアムに必要不可欠なGasについて紹介しました。
簡単にまとめてしまうと、イーサリアムを使用する時に必要な燃料と覚えておくと良いでしょう。またこの燃料の質(価格)が高いほど処理はスムーズに行われます。
ただこの性質上、ガス代が高騰してしまうこともあるので注意が必要です。最適なガス代が分かるツールもあるので、うまく活用していきたいですよね。
代表的なイーサリアムウォレットとしては、マイイーサウォレットが主流かもしれませんが、メタマスクのウォレットの方が、ガス価格の設定において自由度が高いのでオススメです。
メタマスクの登録も簡単で使いやすいので、興味のある方は合わせて「メタマスクの登録・使い方まとめ」を確認しておきましょう。