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PoWとPoSの違いとは?スケーラビリティー問題と不正攻撃の耐性を比較

コンセンサスアルゴリズムのPoWとPoSの比較を3つの視点から行っています。意外と知らないこともあると思うので、ご確認ください。

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弊サイトで掲載される記事内には取引所のプロモーションを含むものがございます。

また掲載プロジェクトのプロモーションについては個別で記載いたします。

仮想通貨の中でよくPoWやPoSなどのワードを目にすることがあると思います。

マイニングのやり方(報酬体系)が違うんでしょ?と大体の人が思っているはずです。それも1つの正解ですが、その他の違いについてわかる人はあまり多くないという印象。

もちろん私たちは技術者でも学者でもないので、このような違いについて知る必要はないかもしれません。

ただ知ることによって、この通貨ではこのようなことが出来そうだから、将来性はこのような感じで出てくるなど、通貨の判断における一つの基準になることは確かです。

ですので、ここでは代表的なPoWとPoSに違いについて、現状の問題点も踏まえて解説していきたいと思います。

PoWとPoSの違い

コンセンサスアルゴリズム PoW PoS 違い プルーフオブステイクス プルーフオブワーク

PoWとPoSの違いについてはいくつかの面から見ることができます。

  • マイニングの報酬体系
  • スケーラビリティ問題
  • 不正攻撃への耐性

ではこのような点から違いを一つ一つかみ砕いて見てみましょう。

マイニングの報酬体系

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まずはマイニングの報酬体系です。

マイニングの報酬体系が違うということは、トランザクションの承認方法が違うという事になります。

PoWの承認システムは、マイナーがそれぞれ競い合った形で暗号を解き、早い者勝ちで仮想通貨を手にすることができます。

その為にはハッシュパワー(計算力)の高い機械を使って、競争に勝たなくてはなりません。要するにいい機械を使った方が稼げる仕組みとなっています。

一方でPoSは機械の性能で争うのではなく、その通貨の保有量によって報酬の量が決まってきます

多く通貨を持っている人がより強い力の持ち主となり、効率よくマイニング報酬を得られるといった形です。

機械の性能で勝負を行うわけではないため、よりエコに承認作業が行えるといったメリットが上げられます。

簡単まとめ

PoSは承認方法が違うことによって、エコに承認作業を行えるが、通貨の流動性が損なわれる可能性もあり。

PoWは流動性の部分は問題ないが、報酬は競争によって決まるため莫大なエネルギーが必要。

スケーラビリティ問題

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スケーラビリティ問題についてもPoWとPoSでは変わってきます。

特に今のイーサリアムをイメージしてもらうと分かりやすいでしょう。イーサリアムではICOやDappsの登場により、度々スケーラビリティ問題によるトランザクションの遅延が起きています。

またそれによりトランザクションにかかる手数料も非常に高くなり、仮想通貨本来の強みであるマイクロペイメント(少額決済)の足かせにもなってしまいます。

100円のものを買うのに50円の手数料なんて払えませんものね。

この問題が起きているのが現在PoWを採用しているイーサリアムの最大の問題です。ただこの問題を解決するためにもイーサリアムはPoSへの移行を検討しています。

PoSに移行することで、承認作業を争うことがなくなる(検証作業に割かれる時間が少なくなる)ためブロック生成の時間を早めることができ、1秒当たりでのトランザクションの処理回数を増やすと言ったことが実現できます。

簡単まとめ

PoWでは認証作業の競争によってスケーラビリティ問題が発生するが、PoSでは競争がないため、検証に時間がかからない。

よって1秒あたりに処理できるトランザクションの回数が増える。

不正攻撃への耐性

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仮想通貨保有する中で、不正攻撃は特に心配になる点と言えるでしょう。

元々仮想通貨自体の仕組みとして、不正攻撃に強いということが上げられますが、実際は51%攻撃と言う不正攻撃に合う危険性もあります。

ネットワークの計算処理能力を51%以上支配することで、この行為は可能です。これはPoWとPoS両方に言えることです。

ではどのような違いがあるのか。

これは51%を占めるための手間と費用が上げられます。

まずPoWでは個人でどうこうできるレベルの話ではないですが、もし仮に大規模なマイニングを行う集団が不正攻撃を行おうとすると成功する可能性が出てきます。もちろん非常に稀な話ですが前例がないわけでもなく、100%安心と言えないのが難点です。

対してPoSの場合は理論上お金さえあれば、個人でも51%攻撃を仕掛けることは可能だと思います。ただそのためには、発行されている通貨の51%以上を持っていないと不正改ざんができたないことを意味しています。

51%攻撃をPoSで仮に行おうと思うと、通貨保有のために大量の資金が必要となりますし、そのような通貨の信頼性は一気に落ち、価格は下落することでしょう。

つまり費用対効果が全然合わないということになります。

よってPoSではPoWよりも51%攻撃に対する耐性が非常に強いものであると考えられています。

簡単まとめ

PoWは51%攻撃を行われる可能性があるが、PoSの場合は費用対効果が合わず、不正な攻撃を仕掛けられる心配が少ない。

イーサリアムはPoSに移行予定

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イーサリアムは現状PoWを採用していますが、後々にはPoSへと移行する考えを示しています。

特にICOやDappsなどで使用されることの多い通貨なので、現状のスケーラビリティ問題や不正攻撃には相性がいいという事からこのような案が出ているのでしょう。

またイーサリアムも日常的に使われることを目的としている通貨なので、マイニングなどでかかる維持費が莫大になるということは望んでいません。

正確な移行時期については、まだ発表がされていませんが2018~2019年にかけて移行される予定ということが言われています。

まとめ

まとめ

仮想通貨でよく聞くPoWとPoSの違いについて、マイニングの報酬面以外の視点からも違いを紹介してきました。

これまでのイメージと少し変わった方もいると思います。

冒頭でも説明した通り、このような技術的な話は人によっては全く何の役にも立たないという人もいると思いますが、違いを知っておくことで自分が関わっている仮想通貨についてのことも、少し見方を変えることも出来るのではないでしょうか。

細かく深い情報を入れることが重要とは言いませんが、頭の片隅にでも入れておくと良いでしょう。

また今回例に出したイーサリアムの技術については、様々なものがあります。

特にスケーラビリティ問題についてはシャーディングなどがセットで紹介されることも多いため、こちらについても興味のある方は合わせて確認しておくといいと思います。

この技術については「スケーラビリティ問題を解決するシャーデングの解説」で説明しています。

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