【コラム】プレイヤーが見る2020年ブロックチェーンゲームの動向Vol.2
こんにちは、でりおてんちょー(@yutakandori)です。
2020年といえば、空前のDeFiブームとなりました。
しかしその一方で、ブロックチェーンゲームは一時足踏みをしている印象です。
それどころか、DeFiの影響でgas代が高騰する期間がしばらく続き、ブロックチェーンゲームのユーザー体験に嫌気が差した人も多かったのではないでしょうか。
私自身、2020年は事業者としてもブロックチェーンゲーム、ブロックチェーンに関する事業と向き合うことが多かった1年でしたが、頭を悩ませることが多々ありました。
そんな私がこの場をお借りして、2020年ブロックチェーンゲームの動向について、僭越ながらコラムを書かせていただきたいと思います。
2020年みるべき業界の動向
でりおてんちょーが選ぶ見るべき動向
- ブロックチェーンゲームへの認識
- 参入ハードル低下の兆し
- コンバートの難しさ
- 新ビジネスモデルの不在
- 海外ゲームの強さ
ブロックチェーンゲームの認識の変化
私がブロックチェーンゲームを始めた2年半前と比べると、今日までの期間でブロックチェーンゲームというものは格段に遊びやすくなりました。
当時は、ゲーム内のアクション一つ一つに対してトランザクション処理を求められ、その都度gas代を支払うことを強いられる仕様…。
しかし今は、MyCryptoHeroes(マイクリ)・Cryptospells(クリスぺ)を始め、多くのブロックチェーンゲームが遊びやすくなっています。
そしてその効果もあったのか、去年までは投機目的で遊んでいる人が多い印象でしたが、2020年は純粋にゲームとして楽しむ人が増えた印象です。
実際、私自身ブロックチェーンゲームで最前線で遊んでいる方々にお会いしたり、連絡を取っている中で、その傾向を感じています。
参入ハードル低下の兆し
とはいえ、まだまだ一般的なゲームとしては遊びづらいのも確かです。
- 暗号通貨の秘密鍵を含む取り扱い
- gas代やトランザクション生成作業
など、まずはこの辺りの壁がなくならないと、多くのユーザーを取り込むことは難しいと感じています。
かつては「儲かる」「資産になる」というパワーワードで人を惹きつけ、儲かるのであれば勉強してでもゲームを始めるというユーザーが多かったように思います。
しかし、今はお世辞にも「儲かる」「資産になる」とはいえないブロックチェーンゲームがほとんどです。
そうすると普通のゲームと何が違うんだという話になってきますよね。
ソーシャルゲームや一般的なブラウザゲームとユーザー目線で大差がないにもかかわらず、始まるまでの敷居が高いままなのは、一般受けしない要因の一つになっているでしょう。
ただこれも少しづつの改善は見られます。
アセットを簡単に取引できる仕組みやウォレットの概念を持たないゲームも出てきたことは確かなので、この改善をブラッシュアップできればと思います。
コンバートの難しさ
普通のゲームと何が違うんだという話では、「ゲームが終わったとしても他のゲームで使える」というのが売りの1つになってきます。
しかし、ゲーム間でアセットを相互利用するためには、『パラメータ調整の問題』がつきまとうことがほとんどです。
他社のゲームでプライマリーセールが行われたアセットを、自社ゲームに取り入れることは
- その分自社アセットが売れなくなる
- 強すぎると環境を壊す要因となりうる
など、正直なところあまりメリットがありません。
もちろん、2つのブロックチェーンゲームでユーザー層が明らかに違うのであれば集客効果が見込めますが、現状そういったこともないように見受けられます。
ということで、今行われているNFTコンバートの多くは、あくまで「他のゲームでも使える」ということの事例作りにすぎない、と思っているユーザーの方も多いでしょう。
使うことはできるけれど、ユーザーはあえてそれを使いはしない、つまりコンバートしないという状態です。
これに関しては、各社まだまだ模索中・手探り状態といった印象ですが、実際にBCGとして稼働していたものがサービス終了した時に、存在感が出るでしょう。
また、これは私個人の感想ですが、企業がそれぞれ独立している状態ではコンバートを行うメリットが生じづらいため、事業者間のインセンティブ設計から変えていかなければならないと思っています。
その点では、「PlayMining」を運営されているDigital Entertainment Assetさんや、Enjinさんの事例は非常に参考になります。
この点は「海外ブロックチェーンゲームが熱い」の見出しで後述いたします。
ビジネスモデルの問題は未解決
ブロックチェーンゲームでは、新規アセット販売に依存しないマネタイズ方法が必要なはずですが、現時点ではまだ画期的な仕組みは生まれておりません。
一般的にソーシャルゲームのユーザーは、
- ゲームで勝ちたいから
- ゲームを効率よく進めたいから
などの動機のもとでアセットを購入しますが、ブロックチェーンゲームは上記に加えて「アセットを売買して儲けたいから」という動機もはたらくと考えられます。
しかし、既存のアセット販売モデルの場合、初期に販売されたものと比較して「強い」と分かるものを出していかないとどんどん売れなくなり、売り上げが下がってしまうと予想されます。
しかしそれは、ゲームリリース前・初期の段階でリスクを負ってアセットを買った、古参ユーザーが報われない設計でもあります。
初期に販売されたアセットの価値が時間経過ごとに減少していくのであれば、そこに資産価値があるとはいえません。
ブロックチェーンゲームでは一般的な「ガチャ」は法的な問題で実装できない以上、どのようにビジネスとして成り立たせていくかは今後も課題となりそうです。
海外ブロックチェーンゲームが熱い
・F1DeltaTime
— でりおてんちょー (@yutakandori) September 25, 2020
・Axie
・Sorare
が今のBCGのトレンドだと思ってる。
こちらは9月のツイートですが、今でも上記3つのブロックチェーンゲームが、海外ブロックチェーンゲームの中では特に熱いと感じます。
国内で行うには法律の壁が立ちはだかりますが、Sorareのようにゲーム内コインが存在せず直接ETHをdepositするモデルは、ユーザーとしては遊びやすく嬉しい仕組みです。
また、AxieのAXSのように、DeFi要素をブロックチェーンゲームに取り入れたり、AXS・SLPがBinanceに上場したりなど、ユーザーが飽きないよう常にワクワクさせてくれます。
f1® delta timeのNFTステーキングも、とてもワクワクしましたね。
また、Digital Entertainment Assetさんが運営されている
- JobTribes
- PlayMining Puzzle
や、Enjinの技術を利用したブロックチェーンゲーム
- EnjinCraft
- War of Crypta
など、PlayToEarnを実現していたり、仕組みとして非常に面白い!と、感銘を受けるブロックチェーンゲームにも注目しています。
この仕組みも国内で出てきてほしいですね。
例えば、Digital Entertainment Assetさんのように自社で開発するゲーム間でアセットを移動できる仕組み。
この仕組みであれば他社ゲームアセットとのコンバートと比較すると、ゲーム間パラメータ調整の問題も比較的クリアできますし、「その分自社アセットが売れなくなる」という点も課題は少ないでしょう。
また、DEAPcoinを用い、デジタルエンターテイメントの価値を共有する経済圏を確立しようとする試みは、個人的にとてもワクワクするもので注目しています。
またEnjinさんのように、アセットをmint(発行)する際に資産価値の裏付けを行い、それをmelt(溶解)することでEnjin Coinに戻せるという仕組みは画期的です。
これにより、運営としては発行済みアセットの価値を守ろうというモチベーションが働き、ユーザーとしてはいつでもERC20トークンに戻せる点で安心材料となります。
ただ国産のBCGでは、どうしても日本の法律が絡んでくるため、海外のゲームと全く同じ仕様にできるというわけでもありません。
この点は、まだレギュレーションもない状態ですが、以前の認識よりも、少しづつ穴を突いたやり方も出てきているようなので、期待もしておきたいです。
もちろん日本独自の進化も見せてほしいと思っています。
2021年への期待
2021年への期待は、今のところ2つあります。
- コインチェックのマーケット事業
- 国内BCGの非中央集権的ガバナンス
もちろん両方とも長期にわたるプロジェクトや施策になると思います。
すぐに結果を見るというわけでなく、じっくり見守りたいですね。
また、暗号資産全体の地合いは良い感じなので、暗号資産に関心のある層をどれだけブロックチェーンゲームに惹きつけられるかも勝負だと思っています。
- ソーシャルゲーム
- コンシューマーゲーム
のユーザーに訴求するのはまだ時期尚早な気もするので、暗号資産に関心のある層に刺さるように
- NFTを買いたいと思わせる施策
- ブロックチェーン要素を取り入れた施策
が必要になると考えています。
また、私の個人的な思いではありますが、ブロックチェーンゲームは一般的なゲーム(コンシューマーゲーム・ソーシャルゲーム等)とは別物であってほしいです。
多くの人にとって遊びやすくなることはゲームの発展のために重要なことですが、そのために必ずしも一般的なゲームに近づく必要はないはず。
例えば、2020年に話題になったDeFiには、非中央集権システムを実現するために「ガバナンストークン」を採用しているプロジェクトが多数あります。
この仕組みは非常にパブリックブロックチェーン的だと思いますし、このような仕組みはブロックチェーンゲームにも組み込めると思います。
実際、国内でもマイクリが、ERC20トークン『MCH Coin』を実装し、2021年3月には「マイクリプロデューサー」をユーザー投票により決定しようとしています。
※参照:ミディアムより
一方で、クリスぺではERC20トークンを発行せず、ERC721(NFT)のTAV(Total Asset Value)に応じたガバナンスを実施するとの発表が行われました。
2021年はブロックチェーンゲームの「ガバナンス」部分に注目が集まる年になるかもしれません。
- ERC20トークンによるガバナンス
- ERC721(NFT)によるガバナンス
という2つの「ブロックチェーンゲームならでは」の事例が見られると思うので、個人的に楽しみな要素です。
まとめ
2020年ブロックチェーンゲームの動向について、僭越ながらコラムを書かせていただきました。
拙い文章にもかかわらず、最後まで読んでくださってありがとうございました。
最後に私事ではありますが、2月頃に東京へ出張する予定なので、たくさんの方とブロックチェーン関連のお話ができればと思っております。
ブロックチェーンゲーム・ブロックチェーン関連の話をするのは好きなので、ぜひ気軽にDMでも送っていただけると嬉しいです。
2020総括!プレイヤーが見るBCGの動向 |
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プレイヤー:垂水ケイさん |
プレイヤー+運営:でりおてんちょー |
プレイヤー+クリエイター:キヨスイさん |
メディア:ダプマ執筆 |
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