ERC1155とは?仮想通貨ゲームに革命が起きる特徴と将来性
ERC1155とは?
Enjinが開発した新しいイーサリアム規格のトークンです。
仮想通貨ゲームにおけるファンジブルまたはノンファンジブルトークン(後に説明)を作成し、複数のアイテムなどを一括送信可能にすることで、ガスのコストなどを削減することができるようになっています。
Enjinとは
イーサリアムベースのゲームを作成できるコミュニティプラットフォームです。このEnjinが開発したイーサリアムの新たなトークン規格であるERC1155が話題のゲームに続々と取り入れられ、今とても注目を集めています。
もともそEnjin自体は2009年からオンラインゲームのプラットフォームとしての地位を築いていたのですが、ここにきてようやくブロックチェーンゲームに参戦し、本格的に活動を始めようとしています。
Enjinについては根本さん(@dujtcr77)の「Enjin Coin(エンジンコイン)とは?オールインワンのブロックチェーンゲーム開発プラットフォーム」で詳しく紹介されているので、あわせてご確認ください。
これまでのトークン規格
これまでブロックチェーンンゲームで使用されていたイーサリアムのトークン規格としては以下のものが主となります。
- ERC20
- ERC721
これらについてはすでにゲームや一般の通貨として幅広く利用されていますが、簡単に説明します。
ERC20
イーサリアムで最も利用されている規格です。
特にICOなどによって発行されたトークンは、この規格を利用していることが多いでしょう。また仮想通貨ゲームにおいてはゲーム内通貨としてもよく使われています。
ERC721との違いとしては、代替可能なトークンという点です。
全てのトークンが同じ価値・性能を持つことで、一定の価格やレートで交換出来たり、使用することができるためFungible Token(代替可能なトークン)と言われています。
ERC721
こちらは仮想通貨ゲームのキャラクターなどに使用されるイーサリアム規格です。ゲームのキャラクター(武器)は1つ1つがステータスや特徴が変わってきます。
このように1つ1つのアイテムの特徴が違ってくると代替えは不可能となります。これがNon-Fungible Token(代替不可能なトークン)と言われるところになります。
ノンファンジブルトークンについてはより分かりやすい解説を、「仮想通貨ゲーム(Dapps)に必要な豆知識」として紹介しているので、深く内容を知りたいという方は合わせてご覧ください。
ゲームにおけるERC1155の存在
もちろんゲームには代替え可能なトークン、代替え不可能なトークンは必要不可欠です。ちょっと例にすると回復薬(ERC20)のないポケモン(ERC721)なんてかなりハードルが高くなりますからね。
しかしこれらの規格が違うということで、これまではそのアイテムを送信(取引)する場合、個別で送らなければいけないということが起こっていました。
ただ冒頭でも説明した通り、ERC1155を使用することによって複数のアセット(キャラやアイテム)を一括で送信することができるようになっています。
このことによってゲームアイテムの取引に必要なコストや手間を削減でき、より快適にゲームプレイが可能になるというわけです。
では具体的にどのようにして、手間やコストが削減されるのかを見ていきましょう。
承認作業の減少
ERC1155を使うことでトークンのやり取りが簡略化されます。
上記画像を見るとわかるのですが、従来のトークンのやり取りは完了までに複数の承認作業(図の緑)が必要となっていました。
しかしERC1155の特性でもある複数のアセットを1つのグループとしてとらえ、送信を行う事で承認作業の回数が極端に減っていることが分かります。
複数のアセットを1つのグループとしてとらえるというのは、新たな考え方だと思います。またERC1155の開発者がいうにはERC1155を作成するのに豊富な経験は必要ないと語っているので、ゲーム開発自体も簡略化される可能性があります。
このことを考えるとERC1155は今後の仮想通貨ゲームでも、よく使用されるトークンとなることでしょう。
しかしERC1155の特徴はこれだけではありません。
複数の相手に一括送信
またERC1155の特徴としては、1度のトランザクションで複数の相手にアセットを送ることが可能ということです。
これまでは1つ1つのアイテムを1人1人にわざわざトランザクションを発生させ送っていたことに対し、ERC1155であれば全て1回の作業で終了します。
このことによるガス代や手間の削減は非常に大きいでしょう。Dappsプレイヤーにとってガスのコスト問題や手間の問題は重要なものですからね。
今後このERC1155には非常に期待が出来るものだと思います。
ERC1155の将来性
ERC1155を実装することによって、ERC20やERC721などこれまで使用していたトークンの規格を統一することができることはお分かりいただけたと思います。
このことによって、ゲーム開発も容易になりますし、アセットのパッケージ化も可能になるでしょう。
ゲームのスターターパック(アイテムとキャラクターのセット売り)のようなものも出てくる可能性がありますね。本当に既存のゲームと遜色のないものが誕生する可能性があります。
さらにはトークンをグループ化することによってユーザーのコスト削減や手間の減少ということも実現可能なので、よりストレスフリーなゲームが誕生してくるでしょう。
またERC1155の規格やサイドチェーン・オフチェーン技術を絡めたゲームが出ることによって、既存のゲームをプレイする感覚でお金を稼ぐということも実現可能です。
こうなるとDappsのプレイヤーが増えてくるということは間違いありません。
今後のDappsの発展についてもかなり重要な位置を占めるトークン規格であるということがいえるでしょう。
まとめ
ERC1155とは何か。その特徴と将来性について紹介を行ってきました。少し考えただけでもワクワクしますね。
既にこの規格を使ったゲームも誕生しているので、チェックも欠かせないですね。
こちらについては「Enjin技術を活用したブロックチェーンゲーム特集」で、色々なものを紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。