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【6月】Web3ゲーム月間レポート:GameFi市場の洞察と可能性

【2023年6月】dAppsmarketとデータ分析サイト「Footprint」が提供するブロックチェーンゲームの月間レポートです。オンチェーンデータなどを参考に市場の動向などを細かく解析しているので、こちらもぜひご確認下さい。

Information

弊サイトで掲載される記事内には取引所のプロモーションを含むものがございます。

また掲載プロジェクトのプロモーションについては個別で記載いたします。

本レポートについて

本レポートは、FootprintのGameFiリサーチページの情報を元にコミュニティや弊メディアが一部加筆、編集を加えたものとなっています。

Footprintは、Web3ゲーム業界を理解する上で最も重要な統計や指標を含む使いやすいダッシュボードを備えており、リアルタイムで情報が更新されています。

データ解析などに興味のある方は、以下で内容を確認することが可能です。

GameFiデータ

前書き

GameFi Tokens Market Cap vs. BTC

GameFi Tokens Market Cap vs. BTC

2023年6月の仮想通貨の市場は上昇し、BTCは12ヶ月ぶりに3万ドルを突破した。

しかしブロックチェーンゲーム市場においては、ゲームトークンの時価総額は63.8億ドルから最大で47.0億ドルまで減少するなど異なる動きを見せている。

この下落はゲームトークンの供給とプレイヤーの不均衡によるもの。

ただ現状はYuga Labsや国内でも各種大手企業がこのフィールドに参入しており、問題点としてあげられるインフラやゲームプレイの改善に期待が持たれる。

  • ユーザーのエンゲージメントを維持
  • 魅力的なゲームの開発
  • 仮想通貨の成長度合いとゲームのシナジー

今後はこれらに期待して市場の動向を探ることが重要となりそうだ。

今月のキーポイント

  • クリプト・マクロの概要
  • 2023年6月にビットコイン市場(BTC/USD)は大きな発展を遂げ、6月22日には12ヶ月ぶりの高値31.2kドルに達し、30kドルのレベルを強力なサポートとして確立。
  • Web3ゲーム市場全体
  • ゲームトークンの時価総額は63.8億ドルから最大で47.0億ドルまで減少。
  • 市場には約1,021のアクティブなゲームがあったにもかかわらず、デイリーアクティブユーザーが10,000人を超えたゲームは19しかなかったというデータが出ている。
  • ※オフチェーンは非カウント
  • Web3ゲーム・チェーン
  • バイナンスが発表したOP BNB Chain(opBNB)には注目。
  • WAXやHiveのようなゲームに特化したブロックチェーンネットワークは、ゲーマーにより良い体験を提供し、活気あるコミュニティを育成する上で優位性がある。
  • GameFiプロジェクトの概要
  • STEPNはトークン価格が377.43%上昇し、最大の上昇率を記録した。
  • Bored Ape Yacht ClubユニバースのクリエイターであるYuga Labsは、HV-MTL Forgeゲームの1stシーズンをローンチし、Web3ゲームスペースに進出している。
  • GameFiの投資と資金調達
  • 今月の資金調達総額は2,900万ドルで、6回の資金調達ラウンドにわたった。

クリプト・マクロの概要

BTC Price & ETH Price

BTC Price & ETH Price

2023年6月にビットコイン市場(BTC/USD)は大きな発展を遂げ、6月22日には12ヵ月ぶりの高値31.2kドルに達した。

これは不安定な市場の状況において、持続的な上昇トレンドを示したものとなる。

6月5日、米国証券取引委員会(SEC)はBinanceやCoinbaseなどの大手取引所に対する監視を強化した結果、BTCは大きく下落し24.7kドルを記録。

しかし、6月22日にはブラックロックなど大手資産運用会社が次々とETFを申請。

これによりビットコインの相場が変動し、3万ドルの節目を超えて急上昇するものとなり、6月末には30.4kドルと30kドルの協力なサポートを維持している。

この一連の流れで分かることとしては、ビットコインの価格はプラス、マイナスの両方で市場のファンダメンタルに強く影響されるということが言えるだろう。

Web3ゲーム市場全体

GameFi Tokens Market Cap vs. BTC

GameFi Tokens Market Cap vs. BTC

6月はBTCとゲームトークンの時価総額は明暗を分けた。

ビットコインが12カ月ぶりの高値となる31.2万ドルまで急上昇したのに対し、ゲームトークンの時価総額は63.8億ドルから55.0億ドルに減少。

また月半ばでは最大47.0億ドルまで落ち込んだ。

興味深いことにビットコインはこの期間に回復力があり、しばしば「デジタルゴールド」と呼ばれ、より安定した資産と見なされている可能性を示唆している。

この対照的なパフォーマンスは、ゲームトークンが市場の動向や人々の感情変化により敏感な動きを見せやすいとも言えるだろう。

ゲームトークンの時価総額の減少は、投資家の選好の変化を示す可能性もある。

市場が不透明な時、投資家はより安定すると思われる資産を好むかもしれない。

Active Games

Active Games

6月は市場に約1,020のアクティブゲームが存在。

※ユーザーにコントラクトが活用されたもの

ただそれだけの数があったにも関わらず、データによると1日のアクティブユーザーが10,000人を超えたゲームはわずか19しかなかった。

Axieのような著名なゲームでさえ、6月30日時点で8,569人/日しか記録していない。

Axie Infinityのような確立されたゲームでさえこの傾向を免れることはできず、プレイヤーの関心を維持するのに苦労していることを示している。

魅力的なゲーム体験 < ブロックチェーンの活用

現状多くのブロックチェーンゲームは上記のよう体験より先に、先進的な技術を活用することのみを訴求しているのでは?という懸念も抱く結果となった。

そのため、アクティブなユーザーは一部の魅力的な体験を提供するゲームに集中しているという傾向もあると言える。

Daily Active Users

Daily Active Users

上記はWeb3ゲームのDAU(デイリーアクティブユーザー)を表したもの。

Web3ゲーム市場ではDAUが70万~100万人の間で推移していることがわかる。

6月23日には16万6,000人のアクティブユーザーが急増し、特にWalkenは47,459人のユーザーを追加してこの増加に大きく貢献した。

この急増は、Web3ゲームユーザーの少なさとボラティリティを浮き彫りにしている。

Walken Daily Active Users

Walken Daily Active Users

現状、Web3ゲームは以下の課題に直面していると言えるだろう。

  • 新規プレイヤーの確保
  • 各プレイヤーの維持(継続)

問題の本質は、業界がイノベーションを必要としていることだ。

ブロックチェーン技術を魅力的なゲームプレイ、魅力的なストーリー、ユニークなゲーム内要素と組み合わせることで、業界は差別化できるだろう。

トークンのインセンティブだけに頼ったものではなく、イノベーションを通じて持続可能なゲーム経済とコミュニティを構築することに焦点を当てるべきである。

Web3ゲームチェーン

Game Projects Shared by Chain

Game Projects Shared by Chain

ゲームで活用されるチェーンは比較的分散されている傾向。

その中でもBNBチェーンが最も多くのゲームプロジェクトをホストしており、イーサリアムとポリゴンがそれに続き、合わせて市場の71%を占めている。

また今後の活用が注目されるのはOptimismに基づくopBNB。

こちらはスケーラビリティの問題を改善できるものとなり、EVMと互換性があるため、既存のイーサリアムのスマートコントラクトの移行が容易なことが特徴だ。

このopBNBの活用も今後の選択肢となり得るだろう。

そうなればBNBチェーン上で、さらなる高品質なWeb3ゲームが登場する可能性があり、この分野のイノベーションと成長を促すことに期待もできる。

Txns&DAU Shared

Txns&DAU Shared

ただトランザクション数やアクティブユーザーには面白い傾向も。

前述した通り、Web3ゲームで活用されるチェーンはBNB、Ethereum、Polygonの3強となっていたが、Txやユーザー数はWAXがその多くを占めるものとなっている。

  • トランザクション数:約85%
  • アクティブユーザー:約35%

ただこれだけのアクションにも関わらず、WAXの総取引量の割合は小さい。

この結果、WAX内での取引はごくごく少額なものが多くを占めていることを示唆しており、その他チェーン上のゲームとは異なるアプローチをとっていること考察される。

Top Games on Ethereum on June 30

Top Games on Ethereum on June 30

一方、上記はEthereum上のゲームデータである。

昨今ではTxを刻まずゲームプレイを提供するものも多くなっていることを考慮したとしても、アクティブユーザーが100を切るものがほとんどと低い状態。

これはゲームコミュニティのニーズや嗜好と潜在的なズレがあるとも考察できる。

今後Ethereumも多数のアップグレードを予定しており、その中でスケーラビリティの改善やガスコストの低減によってどのように数字が変わるか注目だ。

Daily Txn & Active User on Flow

Daily Txn & Active User on Flow

また6月に大きくトランザクションとユーザー数を伸ばしたのはFlow。

この要因としては、Joyride Gamesが提供するCarrom Blitzが5月頃から順調にユーザー数を伸ばしており、Flowの躍進に貢献したと見られている。

GameFiプロジェクトの概要

Top Games

Top Games

前述した通り、ゲーム特化チェーンがコミュニティのニーズを満たしている。

特にWAXやRoninはアクティブユーザー数や取引高が非常に多く、コミュニティが求めるものに近いゲーム体験を提供していると言えるだろう。

  • Alien Worlds(WAX):ユーザー数でリード
  • Axie(Ronin):取引量でリード

そうなると今後はより多くのゲーム特化チェーンの活性化にも期待。

すでにこれらのチェーン以外にも、日本からはOasysやそのVerseなどのリリースやゲーム実装が予定されているため、今後の動向にも注目したいものとなっている。

Guide – Oasys

Oasys|ゲーム特化ブロックチェーンの概要

Game Token Increase in June

Game Token Increase in June

また上記は6月のゲームトークンの上昇率を表したもの。

特に高騰したものとしてはSTEPNのGST(377%)があげられており、僅差でZodiumとNakamoto Gamesが78~276%と大きな上昇を見せていることが分かる。

これらの特徴としては、以前より注目されたプロジェクトであるということ。

一度成功すれば、持続的な努力を続けることで、強固なエコシステムの開発や心強いコミュニティの構築が可能となることを表していると言えるだろう。

また今後有望に見えるゲームもいくつかある。

BAYCの提供元であるYuga LabsはHV-MTL Forgeゲームの1stシーズンをローンチし、eb3ゲームスペースに進出している。(今年Yugaは4~5本リリース予定)

同社が以前提供した「Dookey Dash」の参加率は約97%。

そのため、今後リリースされるゲームについても、多くホルダーが参加する可能性があり、ゲームの活性化に繋がることが期待される。

一方でAAAゲームも有望な展開を見せている。

特に「Gods Unchained」は、最近Epic Games Storeでリリースが行われ、ネイティブトークンであるGODSは最安値から約50%の上昇を記録。

こちらも今後の普及に期待ができるため、動向には注目したい。

また特筆すべきはUbisoftがWeb3ゲームの開発を発表したことだ。

同社初のブロックチェーンゲーム「Champions Tactics」は、ゲーム特化チェーンの1つであるOasysと提携をして開発が進められるものとなり注目が集まっている。

さらにスクエニやSEGAなどのAAAスタジオもWeb3参入に意欲的だ。

大手各社の動向が慎重であると言われる中、ゲーム界の巨人たちは、粘り強くその可能性を探求し続けていることは明らかと言えるだろう。

GameFiの投資と資金調達

Web3 Game Funding in June

Web3 Game Funding in June

GameFiの投資と資金調達に関しては、前月から大幅に減少した。

前月は8ラウンドで7,910万ドルの資金調達に対し、6月は6回の調達で2,900万ドルとこれまでの堅調さとは対照的な動きを見せている。

この中で最大のものとしてはHyperPlayが調達した1,200万ドル。

HyperPlayはGame7 DAOが開発したゲームランチャーとなっており、アップルやSteamなどの中央集権に制限されないプラットフォームを目指す。

また別の調達としてはゲームスタジオのArgusが1,000万ドルを調達している。

6月の調達については大幅な減少を記録するものとなったが、後半に勢いを取り戻しつつあるものとなっているので、引き続き動向も注目しておくといいだろう。

まとめ

まとめ

6月のWeb3ゲーム市場は落ち着きを見せた形となった。

ゲームトークンの時価総額の減少、資金調達の低下などを見るとまだまだブロックチェーン領域の中でも大きな需要は生み出せていない可能性がある。

一方で、Web3の有名IPや大手ゲーム会社がこの領域に参入するというポジティブなニュースも。

これによりユーザーへの認知拡大や新たな資金調達など、今後を見据えた地盤を固める時期に差し掛かったと考えることもできるのではないだろうか。

大きく前進するための準備段階とも言えそうなので、今後の動向にも注目だ。

Footprint公式

本レポートについて

本レポートは、FootprintのGameFiリサーチページの情報を元にコミュニティや弊メディアが一部加筆、編集を加えたものとなっています。

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ここでは、活発で多様な声がお互いを支え合い、コミュニティを前進させることができます。

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