【9月】Web3ゲーム月間レポート:市場の拡大と課題・新分野の可能性
本レポートについて
本レポートは、FootprintのGameFiリサーチページの情報を元にコミュニティや弊メディアが一部加筆、編集を加えたものです。
また本レポートはオンチェーンデータに記録されたものを参照しています。
そのため、アプリ化などを行いオフチェーンで遊ぶ形式のブロックチェーンゲームのデータは参照できないため、あらかじめご了承ください。
GameFiデータ前書き
9月のブロックチェーンゲームのトークン時価総額は29.2%の急増を見せた。
またこれに伴いデイリーアクティブユーザー数も12.3%の470万人と、直近から連続での伸びを見せており、市場が好転する兆しを見せている。
- トークン時価総額やDAUは増加傾向
- テレグラムベースのゲームが躍進
- 規制やブロックチェーン統合の再考の事例も
この中で目立った傾向としてはテレグラムベースのゲームの増加。
すでに世界を始め日本でもテレグラム上にゲームをローンチし、ユーザー獲得をめぐって数々のゲームがしのぎを削っている段階と言える。
また一方では問題点も浮上。
各国の規制上の理由でブロックチェーン統合戦略を再考する必要性が出てくるプロジェクトもあり、今後の動向も注目の的となっている。
ただこれまでと変わらないこととしては、ブロックチェーン技術を効果的に活用した、持続可能で魅力的な体験の創出だと言えるだろう。
8月版!Web3ゲーム月間レポート
9月の仮想通貨市場
9月の仮想通貨市場は堅調なパフォーマンスを示した。
ビットコインは57,429ドルで始まり、10.5%の上昇を見せ63,485ドルに。またイーサリアムは7.3%の上昇し、最終的には2,603ドルで取引を終えている。
この中で注目すべきはETH/BTCの価格比率である。
9月中旬にETH/BTCの価格比率は0.0386というこれまでの最低値に達しており、王者であるビットコインの強さを物語るものとなった。
これは新規層の流入が多くあったとも考えられる。
また市場市場のポジティブなムードの要因としては以下が寄与した可能性も。
- 金融政策の転換
- 米国で大幅な金利引き下げを決定
- 中国・香港株式市場の回復
- 規制の進展
- SECがBTC現物ETPのオプション上場申請を承認
- 機関投資家の採用
- ニューヨーク銀行が仮想通貨の保管サービスを提供へ
- 政治的支援
- トランプ氏、ハリス氏が仮想通貨業界への支持を表明
このように業界には追い風か吹いている。
特に11月に行われる米大統領選後に打ち出される政策次第では、さらなる市場の好転も予感させ、相場にも大きな影響を与えるものとなるだろう。
Web3ゲーム市場全体
9月のWeb3ゲーム市場は、相場の好転と足並みをそろえる形で回復。
ゲームトークンの時価総額は180億ドルから232億ドルと29.2%の急増を記録しており、仮想通貨の全体相場との相関性も示す結果となっている。
またゲーム自体のエンゲージメントは先月に引き続き好調を維持。
特にユニークウォレットで測定したDAUに関しては、8月からの12.3%の増の470万人を記録しており、その中でもopBNBネット上の活性化が目立つ結果となった。
Web3 Game Daily Trading Volume
取引件数も若干ではあるものの前月比+2.5%(910万件)と増加傾向に。
ただし、取引高においては22.9%の減少を記録しており今後この取引高についても、どのような変化を行っていくのか注目すべきものとなるだろう。
Catizen
そして9月の注目すべき点としてはテレグラムベースのゲームの躍進である。
これまでもTONベースのゲームを起点に、このセクターは大きくユーザーを惹きつけるものとなっていたが、直近ではその周辺トレンドも徐々に変化を見せている。
- TON以外のチェーンの躍進
- BNB ChainなどもTelegramと統合
- CEXの競争
- BinanceなどにTelegram系トークンが上場
- 取引所がTelegramゲームの開発も
- BitgetがTONエコシステムの支援で3,000万ドル投資
このように様々なチェーンのゲームがユーザー獲得のためテレグラムゲームを展開。
また取引所もより多くのユーザーにアプローチするため、次々とテレグラム上のゲームトークンの上場や独自のゲームリリースを計画するなど、今後の激戦も予想させる。
これに対しBybitのCEOであるBen氏はToken2049の中で以下の洞察を行った。
一部のトークンは、数百万人の新規登録をもたらし、そのうち40万~50万人が預金ユーザーになりました。これらの新規ユーザーは主に東ヨーロッパ、アフリカ、南アジア、ナイジェリア、インド、そして一部のヨーロッパ諸国から来ています。
Telegramゲームの影響はユーザー獲得の促進を効果的に確立したと言えるだろう。
ただし、この傾向の中には同じユーザーがプロジェクト間を行き来している可能性があるため、獲得効果は徐々に弱まっていることは留意すべきである。
またこのTelegramゲームには一部の懸念も。
この内容としてはオンチェーン活動の継続性が確認できず、ゲームや開発は長期的に経済的持続可能性を維持することが困難になる可能性がある。
現状はトークン以外オフチェーンに頼ることが前提。
ただeb3ゲームエコシステムの健全な成長を考えると、このオンチェーン活動の可視化も重要となり、このギャップをどのように埋めていくかも今後の焦点となるだろう。
ゲームチェーン
先月は8月と比べアクティブなゲームは4.5%増の1,563であった。
市場をリードするプレイヤーは依然として安定しており、BNB Chain、Polygon、Ethereumがそれぞれ22.0%、18.6%、14.8%のシェアを誇っている。
ただDAUの状況は劇的な変化を見せた。
opBNB、Ronin、Nebula(SKALEサブネット)がトップパフォーマーとして浮上し、それぞれ平均110万、110万、45.79万のDAUを記録した。
- opBNB:110万DAU
- 9月末のシェア率:28.2%
- Ronin:110万DAU
- 9月末のシェア率:20.1%
- Nebula:45.79万DAU
- 9月末のシェア率:9.2%
特にopBNBのDAUは8月と比較して62.0%増の著しい成長を見せた。
この要因としては直近で目立った動きを見せる「SERAPH: In The Darkness」だけでなく、eスポーツプラットフォームとして注目される「Elfin Metaverse」のローンチも。
またRoninは市場シェアは依然として高いものの継続的に下落している。
下落の要因としてはPixelsのDAUが700,000人から470,000人に減少したことが大きな要因となっており、9月はopBNBに市場シェアのトップを奪われる形となった。
このように各チェーンの競争構造にも大きな変化が起きている。
Pixudi
その他、特筆すべきチェーンとしてはSuiとCore。
SuiはTelegramゲーム「BIRDS」がローンチ後、最初の1週間で621.5Kのユーザーを獲得し、平均DAUは48.4%増の92.4Kを記録している。
またCoreも平均DAUが66.9%増の61.8Kとなった。
この要因としてはCore Ignition Drop Season 2がBTCFiに加えてWeb3ゲームにも拡大したことが後押したと考えられ、World of DypiansやPixudiもユーザー誘致に貢献した。
前述した取引所だけでなく、ブロックチェーン間の競争も激化している。
現在もTreasure DAOコミュニティ内でArbitrumからZKsyncへの移行も議論されており、今後もこのような動きが各所で見られることとなるだろう。
Web3ゲームの概要
現状Web3ゲームでは、まだ多くの問題も。
- ユーザーの獲得・継続性という課題
- 規制における取り締まりの事例も
- 調達済みプロジェクトがWeb3から撤退
まずゲーム数であるが現在は1,295のゲームが活発に利用されており、その中でも月間ユーザー数が1,000人を超えるゲームは285となっている。
この数字はWeb3ゲーム全体数(3,448)の8.3%。
市場には次々と新たなゲームが登場しているが、この数字は継続的なユーザーの獲得という課題を引き続き浮き彫りとするものとなっている。
Sorare Busted by UK Regulators: Web3 vs The House
— Mario Nawfal’s Roundtable (@RoundtableSpace) September 28, 2024
UK Gambling Commission just slapped Sorare with charges for “unlicensed gambling.
The court date’s set for Oct 4.
This ain’t Sorare’s first rodeo: they settled similar charges in France already. |
But looks like the UK’s been… pic.twitter.com/b6wSsrrZo7
また直近の問題としては各国の規制である。
特に9月の注目すべき事例としては英国で無許可の賭博施設を提供したとして告発されたファンタジースポーツ企業Sorareが挙げられる。
この事例はゲーム、ギャンブル、デジタル資産取引の境界線を曖昧にするブロックチェーンゲームプラットフォームに対する規制当局の関心が高まっていることを示す。
さらに9月はWeb3ゲームへの撤退の話題も。
例としてa16zなどから総額1820万ドルを調達したMino Gamesは、DimensionalsでブロックチェーンとNFTの統合を予定していたが、断念しWeb2モデルへの移行を決定。
この移行の発表は、今後の情勢における重要な起点となる可能性もあるだろう。
より包括的に対応した法令順守、強固なセキュリティ、魅力的なゲームプレイ、これらの要件を満たすことが今後の重要な指標となるので、こちらも引き続き注視したい。
投資と資金調達
Industry Funding Rounds in September
9月の資金調達イベントは13件で計6,560万ドルの資金を確保。
これらのイベントのうち3件の調達額は非公開となっているが、この数字は8月と比較して6.6%の増加となっている。
特にAI搭載のブロックチェーン体験プラットフォーム「Balance」はa16zとGalaxy Interactiveなどから3,000万ドル調達を行い注目を集めた。
またa16zのゲーム専用ファンドであるGame Fund Oneは今も話題。
ファンドは、AI、VR/AR、Web3ゲームなどの最先端分野に焦点を当て、複数のゲーム関連テクノロジーのスタートアップ企業に3,000万ドルを投資する予定だ。
※投資開始は2025年1月を予定
この他注目すべき分野として挙げられるのはヘルスケア。
「禁煙 to Earn」のPuffpawは600万ドルを確保、またヘルスケアをゲーム化するUniversal Health Token (UHT)は 120万ドルの資金調達に成功している。
このように先端技術や人気の分野の掛け合わせが今後の新境地を生み出す可能性も。
「ゲーム×新たな分野」という新境地に投資は集まり始めているので、傾向やプロジェクトの動向も引き続き注視しておきたいものとなっている。
本レポートについて
本レポートは、FootprintのGameFiリサーチページの情報を元にコミュニティや弊メディアが一部加筆、編集を加えたものとなっています。
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