Facebookが仮想通貨開発に着手!その目的とプロジェクト内容とは
Facebookが目を付けたインド市場
Facebookが保有しているメッセンジャーアプリWhatsApp上で送金が行える仮想通貨の開発に着手していることが判明しました。
このWhatsAppはインドでかなりの人気となっており、国内だけでも利用人数は2億人以上と相当数なユーザー数がいることが分かります。送金に特化した仮想通貨を作成することで、この層の送金シェアをとっていくことが今回の目的です。
2017年においてインドの外貨送金は690億ドル(約7兆4400億円)を獲得したとされており、WhatsAppの送金が活用されることで、このシェアをとっていくのでしょう。
発行する仮想通貨はステーブルコイン
送金をメインとした仮想通貨の作成となっているため、今回Facebookが着手を行っている仮想通貨の種類は、ドルと連動したステーブルコインです。
通常の仮想通貨であれば、ボラティリティが激しく送金目的の通貨として活用しにくいため、法定通貨と連動性を持たせることで安定した価格の仮想通貨が送金できるようになり、今まで以上に送金に活用しやすくなることが予想されます。
ステーブルコインについては、近年注目されている仮想通貨の種類であり、国際送金を行う場合の切り札として今後活用されることが多くなるでしょう。
今回の経緯
まず今回の経緯としては、2014年からこのWhatsAppの責任者として、PayPal元社長のマーカス氏を採用しており、Facebookが金融サービスに乗り込んでくるのでは?と言う憶測が広がっていました。(同氏は一時コインベースの取締役も)
そしてこのマーカス氏が、今年の5月にFacebook社内のブロックチェーン部門トップに選任。その後、プロジェクトへ注力するためコインベース取締役を辞任しています。
現在はブロックチェーン部門には40名ほどの社員が存在し、今回のメッセンジャーアプリでの送金技術+ステーブルコインの開発が行われているという事です。
現状は具体的な業務内容は明かされていませんが、このメッセンジャーアプリを使った送金技術の他にも、今後は新たなプロジェクトが出てくる可能性もあります。
Facebookの新たな主軸としての目的も
多くの方がご存じかもしれませんが、Facebookの収益の大きなものとしては、広告収入が主となっています。こちらは年々収益増を記録しているのですが、Facebook自体でも様々な問題があり、その増加傾向は鈍化気味と言えます。
特にアクティブユーザーについては、個人単位から企業の利用が増えているということで、個人単位のアカウントが伸び続けているのかどうかと言う点は疑問です。
そこで今回のような、自社が保有するサービスで、Facebookの新たなビジネスプランを展開し、収益や更なる認知度を高めることで、相乗効果により事業をより拡大していくことも、今回のプロジェクトの目的の1つになると言えます。
現状アメリカ国内でもWhatsAppがFacebookの所有物と言う認知が低く、FBで問題となったプライバシー問題などの悪影響も出にくいとされており、今後このプロジェクトが上手くいけば、Facebookの株も上がることとなるでしょう。
もちろんインド市場の送金規模もかなり大きなものなので、やり方によってはFacebookが行っている事業の主軸となるプロジェクトにもなり得る可能性はありますね。
是非この辺りも注目しながら動向を追っていくといいかもしれません。
まとめ
ついにFacebookが仮想通貨の事業に本格的に乗り出してきました。
特に現在注目されているステーブルコインの発行も視野に入れているので、こちらの信用性がどのようなものを裏付けし、発行されるのかなども注目です。
送金目的が大きなものとなるので、FacebookやWhatsAppのユーザー数を考えると一気にこのプロジェクトも加速し、仮想通貨自体の認知度も上がるかもしれません。
仮想通貨の普及についても非常に期待のできるプロジェクトなので、ぜひこちらも期待して、進捗を追っていくといいでしょう。
今回注目を浴びているステーブルコインについては、「ステーブルコインの仕組みとは?」で解説を行っているので、是非こちらも合せてご参考ください。